理系大学生、初心者本読みの感想文No.16『天国までの百マイル』

こんにちは。今回は第十六弾ということで浅田次郎さん著の『天国までの百マイル』についてお話ししたいと思います。この作品は初刊発行が1998年で2000年には映画化されている割と有名な作品ではないのでしょうか。この本は父の推薦本で、当時浪人生だった私にとって重なる部分が多い小説でした。

あらすじ

主人公は城所安夫。彼は一時期は隆盛を極めた不動産会社の社長であったが、大破産し妻子には逃げられ、おまけに前歯までないというまさに満身創痍の中年男。そんななか、母親の心臓病が悪化しこのままでは死が近いと宣告される。自分の再起と母親の命をかけ100マイル離れた病院まで母親を乗せ、車を走らせる、、。

感想

この小説は母親への感謝とどん底から這い上がってやるという気持ちをかき立てる小説でした。コンプレックスや負い目があっても何か譲れないもののために強い思いを込めて何かを成し遂げるという主人公を応援したくなりますし、人を育てるということの困難さや意味について考えさせられました。また母親を百マイル離れた病院まで自力で運転するという一見関係ない行為で主人公が自分を奮い立たせていき、再起へのきっかけにしている点に人間の不思議さを感じました。いい話でした。 

 

 

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